状態自体が各々バラバラなので、確かな技術とノウハウなしには決して扱えません。 タンポは様々な年代に対応できるだけの豊富なサイズを取り揃えており、スプリングをはじめキーバランス調整やキーワークの改造まで、長年培ってきたノウハウをもとに完璧に仕上ます。また修理、調整時に交換するパーツにもこだわっています。
その種類は数百種類。楽器のメーカー、製造年代、状態に応じて大きさや素材の異なるパーツを使い分けることで、音色や音質の追求も可能となります。 専門店だからこそ、小さなパーツにも手を抜きません。
質の高い修理と調整を施したビンテージ楽器を是非お試し下さい。
ビンテージサックス在庫一覧
ビンテージ楽器の代表的なメーカー
SELMER
セルマー
1885年、フランスのクラリネット奏者・ヘンリ・セルマー氏がクラリネットのマウスピースやリードの製作をはじめ、パリに店を開きセルマー社を設立。1898年頃からクラリネットの製作をはじめる。 その後1922年にセルマー・パリ初のサクソフォン、モデル22を完成させその後も様々なモデルを発表する。 1954年に発表したマークVIが世界的に評価され、トップブランドの不動の地位を確立する。 American Selmer ( アメセル ) とは? 創始者であるヘンリ・セルマー氏の実弟でアメリカで演奏家として活動していたアレクサンダー・セルマー氏が、兄ヘンリの製作した楽器を現地で輸入販売するためにニューヨークに店を開いたことが始まり。 フランス製のセルマーをアメリカでジャズマーケット用に販売するためにパーツを持ち込み、組み立てから調整、塗装まで施されたものがアメリカンセルマーと呼ばれている。 アメリカにパーツで持ち込んだ理由は、輸入の際に楽器のままだと莫大な関税がかかることと、それにより価格競争で負けてしまうこと等が理由として挙げられている。 1904年にセルマーUSAを設立し、1920年代後半にはジョージ・バンディ氏が経営権を買い取りセルマーパリ社から独立した。 フランスセルマーとの大きな違いは、手作業と自然乾燥によるラッカーの塗装方法とそのダークな色、豪華な彫刻デザイン、1番管(本体)と2番管(U字管〜ベル)がハンダ溶接されていることなどが挙げられる。 また製造時期や番台によって、所々でしか確認できない改良点など様々な特徴がある。 1954年のマークVIの登場以降はアメリカのジャズ市場を独占していたが、1970年代に入るとヤナギサワやヤマハなど日本製のサックスがアメリカの市場に介入し、後に段々と衰退していった。 フランス本社の経営難もあり、1980年代の製造を最後にアメリカ工場を閉鎖し、職人たちを解雇。 アメセルの歴史に幕を下ろした。 |
年代 | モデル名 | シリアル番号 |
---|---|---|
1922 | Model22 | 750-1400 |
1923 | 1401-2350 | |
1924 | 2351-3350 | |
1925 | 3351-4450 | |
1926 | Model26 | 4451-5600 |
1927 | 5601-7850 | |
1928 | 7851-9700 | |
1929 | 9701-11950 | |
1930 | Cigar Cutter | 11951-14000 |
1931 | 14001-15750 | |
1932 | 15751-17250 | |
1933 | 17251-18700 | |
1934 | Radio Improved | 18701-20100 |
1935 | 20101-21750 | |
1936 | Balanced Action |
21751-22650 |
1937 | 22651-25600 | |
1938 | 25601-27650 | |
1939 | 27651-29300 | |
1940 | 29301-29750 | |
1941 | 29751-30500 |
年代 | モデル名 | シリアル番号 |
---|---|---|
1942 | 30501-31150 | |
1943 | 31151-31580 | |
1944 | 31581-31850 | |
1945 | 31851-32350 | |
1946 | 32351-33700 | |
1947 | 33701-35800 | |
1948 | Super Balanced Action |
35801-38500 |
1949 | 38501-41500 | |
1950 | 41501-45100 | |
1951 | 45101-48300 | |
1952 | 48301-51800 | |
1953 | 51801-55200 | |
1954 | Mark-VI | 55201-59000 |
1955 | 59001-63400 | |
1956 | 63401-68900 | |
1957 | 68901-74500 | |
1958 | 74501-80400 | |
1959 | 80401-85200 | |
1960 | 85201-91300 | |
1961 | 91301-97300 |
年代 | モデル名 | シリアル番号 |
---|---|---|
1962 | 97301-104500 | |
1963 | 104501-112500 | |
1964 | 112501-121600 | |
1965 | 121601-131800 | |
1966 | 131801-141500 | |
1967 | 141501-152400 | |
1968 | 152401-162500 | |
1969 | 162501-173800 | |
1970 | 173801-184900 | |
1971 | 184901-196000 | |
1972 | 196001-208700 | |
1973 | 208701-220800 | |
1974 | 220801-233900 | |
1975 | Mark-VII | 233901-246800 |
1976 | 246801-261100 | |
1977 | 261101-276100 | |
1978 | 276101-289700 | |
1979 | 289701-303100 | |
1980 | 303101-315500 | |
1981 | Super Action 80 |
315501-327300 |
※モデル移行期には前後のモデルが混在する事もあります。上記の表はあくまで目安としてご覧ください。
代表的なモデル
Balance Action
テーブルキーのシステムが現代と同じ内側から外側へ開くシステムの原型となったモデル。 このテーブルキーの登場で左手小指の負担が激減し格段に操作がし易くなりました。 また、このモデルよりLowB・B♭のトーンホールがベルの右側へ移り、セパレート式のキイガードが、このモデルの外観での大きな特徴です。インラインのトーンホールのため、楽器を構えた際に両腕が内側に入り込むのが特長。アルトでは故・ジャッキー・マクリーン氏などの使用で有名です。 |
Super Balanced Action
正式名称はスーパーアクション。1981年にスーパーアクション80が発売されたことにより、モデル名が混同するのを防ぐために前モデルのバランスアクションからの流れで「スーパーバランスアクション」と呼ばれることになりその名称が浸透しました。このモデルからトーンホールがオフセットになり、テーブルキーに改良が施され、さらに操作性が向上します。製造番号4万3千番台以降よりLowB・B♭のキイガードがセパレートから一体化され、現在の主流のサクソフォンの原型となりました。音量はさほど出ませんが、SBA特有の甘く柔らかい音色にファンは多く、人気があります。オットーリンクのトーンマスターとの組み合わせでこのモデルを使用したジャズ界の巨匠ジョン・コルトレーン氏が特に有名です。 |
Mark-6
セルマーをトップブランドとしての地位に確立させた歴史的モデルです。現在発売されている様々なブランドのサクソフォンの原型となっており、テーブルキイにはこのモデルからC#-B♭にシーソーが搭載されます。 フランスで組み立てられたクラシックマーケット向けの通称「フラセル」と、アメリカでジャズマーケット用に組み立てられた通称「アメセル」と呼ばれるものが存在します。この二つの違いは、フラセルが焼き付け塗装によるラッカー仕上げ、アメセルが飴色の薄いラッカー塗料を吹き付けた後に自然乾燥させたものになります。 1954年から1973年まで製造され、シリーズIIに次いで長く生産されました。そのため途中に細かいマイナーチェンジが行われており、製造時期によってはトーンホールの位置やキイシステムに変更があります。 また製造番号8万番台まではメタルブースター、9万番台以降はプラスチックブースターのパッドが使用されています。現在も大変な人気があり、多くの奏者に使用されています。ソプラニーノからバスサックスまで全ての楽器が製造されました。 |
Mark-7
1974年から1980年まで製造されたマーク7は、当時の音楽シーンの移行に合わせて設計・製造されたモデルです。当時の音楽シーンはアコースティック編成から電子楽器などのエレクトリックな編成が取り入れられ始めたちょうど移り変わる頃で、サクソフォンはエレキギター、エレキベース、オルガンなどの大音量編成の中での演奏を強いられることになりました。セルマー社はその中でも負けない楽器をと管体の重量化を図り、音量の増大とパワフルで明るい音色の楽器の製造に成功しました。またキイ設計も大きくなり、操作には慣れが必要ですが、1970年代〜80年代のクロスオーバー期(後にフュージョンと呼ばれる。)には多くの使用者が増え、現在に至っても多くのプロ奏者が使用するモデルです。 |
KING
キング
アメリカを代表する管楽器メーカーの1つ。楽器職人のヘンダーソン・N・ホワイト氏がミュージシャンのトーマス・キング氏とともに共同開発したトロンボーンの販売をスタートさせたことがKINGの始まり。オハイオ州クリーブランドに工場を建て(後にオハイオ州イーストレイクに移転)、様々な管楽器を製造した。 サックスはフランスのBuffet CramponのOEMという形で製造していたが、契約終了後の1915年頃より自主製造を開始する。 世界で初めてとなる総銀製"シルバーソニック"と呼ばれるネックやベルが銀製の楽器の製造にも成功。 また、キーのすべてに貝を施した通称"フルパール"と呼ばれるものや、1994年と1995年のたった2年間だけ製造されたSuper21などの希少なモデルも存在する。 管体は全体的にライトウェイトで明るくドライなサウンドが特徴。そしてKINGのみが唯一、一貫してこだわったソルダードトーンホール(音孔ハンダ付け加工)もそのサウンドを決定づけた。 KING特有のモデルとして、ローランド・カーク氏の使用で有名なソプラノサックス、SAXELLO(サクセロ)はネックがカーブしておりベルが90度上を向いた独特な外観が特徴。 |
代表的なモデル
ZEPHYR
1935年から1975年まで製造されていたZEPHYR(ゼファー)は、KINGの特徴であるライトウェイトボディで、軽快な音色を持っています。 1932年に発売された前モデルのVoll-TrueIIからLowB・B♭がベルの右側に移動され、SELMERのBalance Actionよりも早い改良となりました。この改良はアメリカ製サックスでは唯一KINGのみが行っています。 1939年には改良及び特別モデルとして"ZEPHYR SPECIAL"も発売されました。
[製造時期]
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Super20
1945年から1998年まで製造されたモデル。 アルトではキャノンボール・アダレイ氏やチャーリー・パーカー氏などの多くのジャズジャイアンツが、テナーではウィルトン・フェルダー氏やルー・マリーニ氏などのR&Bやブルース系奏者が使用していたことでも有名です。 このモデルで世界初となる総銀製のシルバーソニックを発表しました。 ネックのオクターブキーの形状がアンダースラング(アッパースタイル)式になっているのもこのモデルの特徴です。 Super20は長期に渡って製造されていたため、製造時期により管体の組み合わせが異なり(ネックとベルが総銀、ネックのみ総銀、真鍮のみなど)、各パーツの仕様変更なども所々で行われています。
[製造時期]
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